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金融庁調査が問う「それでも銀行で投信を買いますか」

渡辺精一・経済プレミア編集部
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金融庁=東京都千代田区で2020年1月、古屋敷尚子撮影
金融庁=東京都千代田区で2020年1月、古屋敷尚子撮影

 金融庁が7月3日、銀行や証券会社の「顧客本位の業務運営」についてのモニタリング結果を公表した。個人顧客に金融商品を販売・助言する際、顧客の立場を最優先としているかどうか実態を聞き取ったものだが、営業手法や人材育成に多くの問題を指摘しており、営業現場の「お寒い事情」を浮き彫りにするものになっている。

 金融庁は2017年、金融機関が取るべき「顧客本位の業務運営」の七つの原則を示した。顧客の利益の追求▽手数料の明確化▽顧客にふさわしいサービスの提供――などだ。この背景には、投資信託など金融商品の営業現場では、顧客よりも金融機関の利益を優先させてきた実情がある。

 投資信託や外貨建て一時払い保険の販売が代表格だ。投資信託は、販売手数料や、保有中の手数料である「信託報酬」が高いものが多いうえ、顧客に商品を次々と乗り換えさせる「回転売買」が横行し、金融機関の手数料稼ぎが露骨だった。

 外貨建て一時払い保険は、米ドルなど円よりも高金利の通貨で運用する貯蓄型保険だ。マイナス金利導入後、円建ての貯蓄性保険や債券商品が金利面で魅力がなくなるなか、金融機関は「顧客にアピールできる商品」として販売に力を入れてきた。だが、円高になれば元本割れの可能性があるなど為替変動リスクを理解せずに買った顧客から苦情が相次ぎ、金融機関の営業姿勢が問われている。

 金融庁モニタリングは主要銀行や地域銀行など銀行36行、大手・準大手など証券13社を対象に今春、それぞれの経営陣・本部・営業現場から聞き取りを行った。

 問題とされてきた商品販売については、さすがにやや改善があったようだ。

 投信は、販売額をノルマとする業績評価制度が…

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。