ニッポン金融ウラの裏

コロナの公的融資が「バブル」とつながるひそかな不安

浪川攻・金融ジャーナリスト
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参院決算委員会に臨む安倍晋三首相(左)と麻生太郎財務相=国会内で2020年6月15日、竹内幹撮影
参院決算委員会に臨む安倍晋三首相(左)と麻生太郎財務相=国会内で2020年6月15日、竹内幹撮影

 新型コロナ問題が続くなか、銀行の貸出金残高が大幅に増えている。日銀の統計によると、全国の銀行の貸出金残高は6月末、前年同期に比べ6.5%増加した。これは1990年10月の統計開始以来、最も高い伸び率だ。今年1~3月の伸び率は同2.1%だったが、これを大きく上回った。

 貸出金が大幅に増加したのは、中小・零細事業者の資金繰りを支援するため、民間金融機関の融資に保証をつける制度を政府が拡大したことが大きい。また、銀行も事業者に積極的に資金支援を行った結果と言える。金融庁がこの間、貸し出しについて適切な対応をしているかどうか銀行に報告を求めていることも後押ししているとみられる。

 たとえば、金融庁は現在、銀行などを対象に「プロパー融資残高に係る調査」を行っている。「プロパー融資」とは、自治体との連携や信用保証協会の保証付きではなく、銀行などが融資のリスクを独自に背負う形で行う融資を指す。

 金融庁はこの調査によって「顧客側に資金需要があり、銀行側にも対応する余力があるにもかかわらず、保証付き融資し…

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。