けいざい多面鏡

「コロナに負けない」東京神田・焼き鳥店主の生存戦略

今沢真・経済プレミア編集部
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店主自慢の焼き鳥=今沢真撮影
店主自慢の焼き鳥=今沢真撮影

焼き鳥店「コロナの半年」(1)

 JR東京駅から山手線で一つ目の神田駅から徒歩1分。ビルの地下1階にある焼き鳥店は、絶品のとろける白レバーや、新鮮な鳥の刺し身が売りだ。カウンターとテーブルで40席弱。普段からサラリーマンで大にぎわいの店が、新型コロナ問題で大きな影響を受けはじめたのは3月からだ。

 「2月後半から多少、客が減ってきて、3月に入ると予約が全部キャンセルになりました」。34歳の店主は振り返る。歓送迎会シーズンの3月は、1年のうち12月に次いで2番目に売り上げを稼ぐ月のはずだった。

 そして4月の緊急事態宣言で客の入りはピタリと止まる。「一番ひどかった。店は夜8時まで営業していましたが、死んだような状況でした」。月平均の売上高は四百数十万円程度だが、この月は200万円を大きく割り込んだ。

緊急事態宣言の4月が「大底」

 店主は高校時代、居酒屋のアルバイトで飲食業の面白さを感じたのをきっかけにこの道に入り16年になる。調理師学校を経て東京・秋葉原の居酒屋で修業し、神田の焼き鳥店に移った。3年前に前のオーナーから店の権利を買い取り、会社も設立して初めて「経営者」として店を切り盛りすることになった。

 リーマン・ショックも東日本大震災もこの業界の1人として乗り越えてきた。だが、「コロナの影響は全然比べものにならない。国も企業も『飲みに行くな、外に出るな』でしょう? こんなことは初めて」。

 4月が大底だったが、5月、6月も売り上げは前年の半分程度。7月に入って3割減ほどに戻ってきたが、感染者数の再拡大で、戻る勢いも抑えられている。「最低でも年内は厳しい状況が続くんじゃないかな」。…

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今沢真

経済プレミア編集部

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀キャップ、財研キャップ、民間企業キャップを歴任。2013年論説委員。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。

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