「コロナ危機」経済の視点から

カインズ社長「ホームセンターは特需でも変革必要」

毎日新聞経済部
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カインズの高家正行社長=東京都港区で2020年6月24日午後1時55分、松岡大地撮影
カインズの高家正行社長=東京都港区で2020年6月24日午後1時55分、松岡大地撮影

 新型コロナウイルス感染拡大による急激な景気悪化にどう対応すべきでしょうか。経営者や有識者に提言を聞きます。今回は、ホームセンター大手カインズ(埼玉県本庄市)の高家正行社長です。【聞き手は毎日新聞経済部・松岡大地】

 新型コロナの感染が広がった4月、東京都が検討している休業要請の対象にホームセンターが含まれていることが分かり、驚いた。社内で営業を継続すべきかどうかずいぶん議論をしたが、我々は東日本大震災や台風の際、ライフラインを支えてきた使命感がある。都が休業要請対象を決定する前に、営業を継続すると発表した。最終的にホームセンターは休業要請対象から除外された。

 政府の緊急事態宣言の間、ホームセンターの売り上げは全体的に良かった。マスクや消毒液などの特需のほか、リモートワークに必要な1人用の椅子や机が売れた。外出自粛で自宅の庭の手入れをする人が増えたようで、ガーデニング用品も売れた。

 一時的に売り上げは伸びたが、人口減少が進む中、ホームセンター業界は将来的に市場拡大は見込めない。小売りとしての価値を作っていかないと生き残れない。

 米国ではネット通販大手アマゾンの台頭で小売店が苦戦している。新型コロナでその状況は加速した。ホームセンター業界は、ただモノを売るだけの店舗のままでは、ネット販売に取って代わられるだろう。

 そこで、昨年から店舗のデジタル化を進めている。店内の平均10万点の膨大な商品がどこに陳列されているのか、従業員がスマートフォンに商品名を入力するだけで分かる仕組みを取り入れ、顧客の問い合わせにすばやく答えられるようにした。今年2月からは、客のスマホアプリから商品の場所を検…

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毎日新聞経済部

経済の動きを追う記者の集団。金融市場の動き、企業動向、政府の経済政策や日銀の金融政策を日々追跡している。ワシントン、ロンドン、北京にも経済の専門記者を派遣している。