「コロナ危機」経済の視点から

城南信金理事長「取引先への支援 これからが正念場」

毎日新聞経済部
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城南信用金庫の川本恭治理事長=東京都品川区で2020年6月29日午前10時53分、松本尚也撮影
城南信用金庫の川本恭治理事長=東京都品川区で2020年6月29日午前10時53分、松本尚也撮影

 新型コロナウイルス感染拡大による急激な景気悪化にどう対応すべきでしょうか。経営者や有識者に提言を聞きます。今回は、信金として全国有数の規模を誇る城南信用金庫(東京都品川区)の川本恭治理事長です。【聞き手は毎日新聞経済部・松本尚也】

 新型コロナの影響を受けた中小・零細事業者は経営がひどく傷んでいる。まずはつなぎ融資に全力で取り組んだ。長年地元で一生懸命やってきた事業者には、とりあえず先の見込みを聞かずに融資に応じた。

 5月1日からは政府の経済対策で民間金融機関での無利子・無担保融資が始まり、相談件数が増えた。融資の実行量は平時に比べ、5月は5倍、6月はさらに増え8・3倍だ。政府の緊急事態宣言の解除後も資金ニーズは増え続けている。

 融資先には今まで取引のなかった企業も多く、3~6月には約1100先に初めて融資した。5月ごろまでは飲食店や小売店などからの申し込みが多かった。しかし最近は、比較的規模が大きい製造業の申し込みも増えている。大手メーカーからの受注が止まり仕事がなくなっているためで、現場では「自動車関連はこれから本格的に厳しくなる」との声も聞かれる。コロナの影響がどれだけ続くか見通せず、ほとんどの顧客は不安を感じているのが実情だ。

 政府の無担保・無利子融資や東京都の「制度融資」と呼ばれる特別な融資は、信用保証協会の保証がついていて貸し倒れのリスクがない。だが、原則として、政府の無担保・無利子融資は4000万円、都の制度融資(無利子の場合)は1億円が上限で、それを超える金額は金融機関がリスクを負う。これまでは政府や都の保証付き融資が中心だったが、上限に達した取引先も出てきつつ…

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経済の動きを追う記者の集団。金融市場の動き、企業動向、政府の経済政策や日銀の金融政策を日々追跡している。ワシントン、ロンドン、北京にも経済の専門記者を派遣している。