イマドキ若者観察

古着屋にライブハウス「若者の街・高円寺」コロナの爪痕

藤田結子・明治大商学部教授
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若者らが戻りつつある高円寺の商店街=東京都杉並区で2020年7月12日
若者らが戻りつつある高円寺の商店街=東京都杉並区で2020年7月12日

 コロナ禍で町の商店街に人出の増減が見られる中、個々の商店にはさまざまな影響が見られます。東京のJR中央線で新宿から数分に位置する高円寺は、都内の商店街の中でも若者に人気という特徴があります。コロナ禍が直撃する高円寺の数カ月を学生が取材しました。

苦境の古着屋、ライブハウス

 高円寺は古着屋やライブハウス、おしゃれな飲食店が多く、今も若者に人気です。ストリート系の古着屋を経営する佐藤さん(仮名、20代男性)によると、4月の緊急事態宣言以降、多くの店舗が休業し経営が悪化しました。

 「古着の買い付けに行けなくなった上に、お客さんも外出が減った分、購買意欲が低下しています。古着は状態を直接見てから買いたい人が多いから、オンラインストアでの販売も簡単ではないんです」

 高円寺は古着の街として有名ですが、古着屋は海外へ買い付けに出かけ、客は目で状態を確認して購入、という特徴がコロナと相性が悪いといえます。

 さらに、ライブハウスのキャンセルも相次ぎました。5月末には老舗ライブハウスが閉店。そんな危機的状況を何とかしようと、有志によって「TO BE CONTINUED…KOENJI」と題し、高円寺に活気を取り戻すため活動資金を募るクラウドファンディングも行われました。

 昼はカフェ、夜はバーという形態の店で働きながら音楽活動をする北野さん(仮名、20代男性)はこう話します。

 「コロナの影響で、店の売り上げは半分以下になった。音楽の収入もあったけれど、ライブが中止になって、キャンセル代が200万円もかかった。政治的なことはよくわからないけど、補助金とかは誰でもいいから早く対応してほしい」

人出…

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藤田結子

明治大商学部教授

東京都生まれ。慶応義塾大を卒業後、大学院留学のためアメリカとイギリスに約10年間滞在。06年に英ロンドン大学で博士号を取得。11年から明治大学商学部准教授、16年10月から現職。専門は社会学。参与観察やインタビューを行う「エスノグラフィー」という手法で、日本や海外の文化、メディア、若者、消費、ジェンダー分野のフィールド調査をしている。