藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

世界のコロナ「危険都市・安全都市は?」藻谷氏の分析

藻谷浩介・地域エコノミスト
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上海の浦東地区の夜景。人口2000万に以上の大都会で新型コロナによる死者は非常に少ない(2014年9月4日、筆者撮影)
上海の浦東地区の夜景。人口2000万に以上の大都会で新型コロナによる死者は非常に少ない(2014年9月4日、筆者撮影)

 新型コロナウイルス問題は「欧米の危機」から「メガシティーの危機」へとステージを移しつつある、と言われる。そのような中で日本でも、東京や大阪などの大都市から、再度感染が拡大しつつある。この現象を世界と比較した場合、深刻さはどの程度なのだろうか? そして世界で最も安全な大都市は、どの国にあるのだろうか?

 ウイルスの感染拡大が世界的に進み始めてから5カ月。米国ジョンズ・ホプキンズ大学(JHU)のサイトでは、陽性判明者数や死者数の地方別の内訳が示される国も増えてきた。米国の場合にはカウンティ(郡)単位の細かい数字が取れるが、日本に関しても都道府県別の数字が示されているし、もう少し粗いが州別の数字が確認できる国も多い。今回はそうした数字を用いて、世界の主要な大都市圏の動向を比較してみよう。

 当特別連載の5回目に示したように、米国にはカウンティを数個から十数個組み合わせたMSA(大都市統計地域)という区分があり、その数字が主要都市の動向を示す定番となっている。MSAは複数の州にまたがって設定されることも多く、かつ郊外住宅地域を非常に広い範囲で含んでいる。

 これと比べるべく、同じようなものを東京で考えるならば、埼玉・千葉・東京・神奈川の首都圏1都3県が該当するだろう。大阪では、滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良の2府3県を合わせた京阪神圏を一体として扱うのが妥当だ。

 名古屋は愛知県全体、福岡は福岡県全体、札幌は北海道全体で、それぞれ都市圏を近似できる。北海道に関しては違和感のある方もおられようが、道民の3分の1が札幌市に、3分の2が札幌を含む旭川-小樽-苫小牧の道央の三角地帯に住んでいるという実…

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外109カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。