東芝問題リポート

東芝に“物言い”をつけた日本人運営ファンド2社とは

今沢真・経済プレミア編集部
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7月31日に開く株主総会で提案する議案について説明する東芝の車谷暢昭社長(右)と社外取締役の小林喜光氏=東京都港区で2020年6月22日(東芝提供)
7月31日に開く株主総会で提案する議案について説明する東芝の車谷暢昭社長(右)と社外取締役の小林喜光氏=東京都港区で2020年6月22日(東芝提供)

 7月31日に定時株主総会を予定している東芝に、「物言う株主」として知られる投資ファンド2社が取締役選任を求める株主提案を行った。東芝は2社の提案に「反対」を表明しており、可否は総会の場で決着する。2社の株主提案の背景を探る。

 株主提案したのは、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントと、3D・オポチュニティー・マスター・ファンドだ。2社ともシンガポールに拠点を置くが、日本人が運営し、主に日本企業に投資するファンドだ。

 エフィッシモは村上世彰氏が率いた旧村上ファンドの幹部が、村上氏からたもとを分かって設立したファンドで、東芝の株式約15%を保有する筆頭株主だ。今回、弁護士の竹内朗氏ら3人を東芝の社外取締役に選任する株主提案をした。

 エフィッシモは提案説明で、東芝の子会社で今年1月、不正な「架空取引」が発覚したことを問題視。「不祥事に対する重大性の認識が十分でない」と批判し、現経営陣のみでは内部統制の再構築は難しいと主張した。

 3D・オポチュニティーは3年半ほど前から東芝に投資しており、今は約4%の東芝株を保有する。今回、投資助言会社の社長経験者ら投資の専門家2人の社外取締役就任を東芝に求めた。車谷暢昭社長ら東芝の現経営陣が利益率の低い投資しか行っていないと強く非難しており、車谷氏の取締役再任に反対している。

 これに対し東芝は、車谷社長、綱川智会長ら12人の取締役選任を求める議案を提出した。12人は専門性と多様性があり、不正などリスクへの対応も十分だと説明。2社が提出した5人の社外取締役の選任は「必要ない」としている。

 東芝に対しては昨年の株主総会前にも、大株主の米ファンドから社…

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今沢真

経済プレミア編集部

1959年東京都生まれ。早稲田大法卒。83年毎日新聞社に入社。静岡支局、東京本社整理本部を経て89年経済部。税・財政や金融政策を担当、銀行、メーカー、流通業を取材する。2013年から論説委員として毎日新聞の社説を執筆。15年6月から経済プレミア創刊編集長、19年6月から同編集部。16年「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)を出版。城西大非常勤講師のほか、日大経済学部などで教壇に立つ。