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働き方で生じる不公平「確定拠出年金」なお残る課題

渡辺精一・経済プレミア編集部
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 5月末に成立した年金改革関連法は、老後資金づくりに役立つ確定拠出年金(DC)について、受給開始時期の選択肢や加入条件を広げた。シニアの就労が拡大していることに合わせたものだ。ただし、改正点はわかりにくい点も多く、働き方によって使い勝手に差があるなど課題も残る。ポイントを整理した。

 確定拠出年金(DC)は、公的年金に上乗せする私的年金で、掛け金に課税されない優遇制度がある。会社が従業員のために掛け金を払う企業型DCと、個人が任意加入して自分で掛け金を負担する個人型の「イデコ(iDeCo)」がある。働き方によって加入できるタイプが決まり、掛け金の上限などにも差がある。

 イデコは以前は、自営業者や企業年金のない会社員らに対象を限っていたが、2017年に公務員や主婦、企業年金のある会社員らにも広げ、制度上、20歳以上60歳未満の現役世代は誰でもDCを利用できるようになった。だが、加入条件や掛け金の上限など、働き方による違いがあり、より公平な制度作りが課題だ。

 今回の年金改革はこうした点を見直した。ポイントは二つだ。

 一つ目は、働くシニアが増えていることに対応し、企業型DCとイデコの加入期間をそれぞれ延長し、受給開始時期の選択肢も広げたことだ。

 企業型DCは現在、原則60歳未満が加入でき、60歳以降も同じ会社で働く場合、会社が規約で定めていれば、65歳未満まで加入できる。22年5月からは「同じ会社で働く」という条件をなくし、加入上限を70歳未満に引き上げる。

 つまり、現在は60歳以降に転職すると企業型DCに加入できないが、改正後は転職しても70歳未満までは加入が可能になる。だが、規約で…

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。