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トランプ氏“盟友恩赦”で見せつけた「私に従う利点」

古本陽荘・毎日新聞北米総局長
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トランプ米大統領=米中西部アイオワ州デモインで2020年1月、高本耕太撮影
トランプ米大統領=米中西部アイオワ州デモインで2020年1月、高本耕太撮影

 米国の大統領は「世界で最も強い権限を持つ」と言われることもあるが、実際には三権分立、連邦政府と地方政府との分権などにより、国内的には大統領権限はかなり制約があるという見方もある。その米国のトランプ大統領が司法権限を踏みにじる暴挙に出た。

 ロシアが2016年米大統領選に介入した「ロシア疑惑」を巡り議会への虚偽証言などの罪で実刑が確定し、収監予定だった盟友の政治コンサルタント、ロジャー・ストーン被告(67)=禁錮3年4月=を恩赦すると発表したのだ。「極めて不公平な扱いを受けてきたため」との理由で、捜査や刑事裁判などのすべてを否定した。

 この捜査を指揮していたモラー特別検察官(当時)は直後に「ワシントン・ポスト」(7月12日付)に寄稿。恩赦されてもストーン被告が、刑事事件で有罪判決を受けた被告であることに変わりはなく、ロシア疑惑の捜査は「最も重要度が高い」ものだったと捜査の正当性を強調した。

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古本陽荘

毎日新聞北米総局長

1969年生まれ。上智大文学部英文科卒、米カンザス大大学院政治学修士課程修了。97年毎日新聞入社。横浜支局、政治部、外信部を経て2018年12月から北米総局長(ワシントン)。