
新型コロナウイルスの感染拡大で、今年の就活は、企業の面接がオンラインと対面を組み合わせるやり方がほぼ定着している。1~2次面接はオンラインで、いよいよ内定かどうかが決まる最終面接は対面というパターンが多いようだ。
では、大学のキャリアセンターはどうか。首都圏の多くの大学は就活生に対する指導や相談をオンラインで行っている。それを緩和して、対面による就活相談を再開させるか、引き続きオンラインで行うかの決断を迫られているのだ。
大学で分かれる方針
まず、大学自体がキャンパスに学生の立ち入りを認めるかという問題がある。立ち入り禁止であれば、考えるまでもなく、対面による就活相談は行えない。これまで通り、オンライン面談、電話やメールによる相談ということになる。
東京都内の学生数の多いある私立大学は、早々と後期の授業についてもオンラインで実施することを決め、大学祭や部活、サークル活動、さらに同窓会活動なども含めて、すべて学内で行う方式を見送った。この大学ではもちろん就活相談も例外ではない。
しかし、「小中高校の授業は再開しているのに、なぜ大学だけが学生を入れないのか」「授業料や施設管理費の一部を返還すべきではないか」といった声も出始めており、大学によっては少しずつ学生が大学に来ることを認めている。
首都圏のいくつかの大学は、図書館の利用や学生ホールの使用を認め、卒論指導の教員が学生を研究室に呼ぶケースも出ている。3密を避け、ソーシャルディスタンスを確保できれば認めてもよい、という考え方だ。
フェースシールドを着けて指導
では、就活相談はどうか。対面で行えば、もちろん飛沫(ひまつ)感染の…
この記事は有料記事です。
残り397文字(全文1093文字)
都内・某共学大進路指導担当
東京都内の共学の大学の「キャリアセンター」に勤めるベテラン大学職員。大学生の就職活動の支援や、進路指導を担当している。