職場のトラブルどう防ぐ?

「テレワークのはずが全員出社に」42歳リーダーの悩み

井寄奈美・特定社会保険労務士
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 A太さん(42)は、従業員数約30人のデザイン会社で制作部と管理部の責任者を務めています。新型コロナウイルスの感染拡大で、4月に緊急事態宣言が発令されてから、同社は営業部や管理部を含めて全従業員が在宅勤務(テレワーク)を始めました。

 A太さんはもともと在宅勤務推進派で、そのままテレワークが定着するだろうと思っていましたが、宣言が解除されると全員が出社するようになりました。改めて積極的にテレワークを進めるべきか悩んでいます。

 A太さんの会社はこの数年、制作部の従業員を中心に“緩やかなテレワーク”を行っていました。従業員が希望する日に仕事を持ち帰り、自宅の個人のパソコンで作業をします。働いた時間を会社に申告し、出勤日に終日自宅で作業できる仕組みでした。

 4月からテレワークの対象になった営業部や管理部の従業員には、自宅で作業ができるようネットワーク環境を整え、パソコンを貸与しました。ただ、郵便物の対応などが必要な人や、自宅で作業環境が整えられない制作部の従業員は週1~2日出社していました。

 会社はテレワークを大きな支障なくでき、緊急事態宣言が全国で解除された5月下旬以降も、会社は在宅勤務の体制を維持していました。しかし、営業部を中心に徐々に出社する人が増えていきました。

 そうした中、社長の指示で6月中旬に全員が…

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井寄奈美

特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/