東芝問題リポート

東芝株主総会「物言う株主」異例の“7分間スピーチ”

今沢真・経済プレミア編集部
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東芝本社=東京都港区で2017年6月、古屋敷尚子撮影
東芝本社=東京都港区で2017年6月、古屋敷尚子撮影

 東芝は7月31日、東京都内で定時株主総会を開いた。「物言う株主」として知られる投資ファンド2社が、車谷暢昭社長ら経営陣の内部管理体制などを問題にして社外取締役の選任を求める株主提案を行ったが、いずれも否決された。

 株主提案したのは、東芝株式の9.91%を保有する筆頭株主、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントと、約4%を保有する3D・オポチュニティー・マスター・ファンドだ。このうち、エフィッシモの代理人として国広正弁護士が出席し、議案説明を7分間にわたって行った。

 国広氏は企業不正の第三者調査に数多く携わってきたことで知られる。いまも弁護士らが作る「第三者委員会報告書格付け委員会」の委員として、不正が起きた企業に注文をつけ、警鐘を鳴らす活動を続けている。

 国広氏がエフィッシモの代理人になったのは意外感があった。エフィッシモは、元官僚の村上世彰氏が率いた「旧村上ファンド」に在籍した者が設立した投資ファンドだ。旧村上ファンドは、ニッポン放送や阪神電鉄の株買い占めで知られる。村上氏は2006年にインサイダー取引の疑いで逮捕され、その後有罪判決を受けたが、その舞台となった。

 国広氏が行った「7分間スピーチ」は、企業不正を厳しく告発してきた自分が、なぜ「旧村上ファンド系」とされるエフィッシモの代理人になったかの説明に時間を割いた。簡単に言えば、エフィッシモは村上ファンド事件を反省し、法令順守を徹底し、短期の利益でなく長期に企業価値を高める方針に徹しているからということだった。代理人がこうした説明をするのは株主総会の議案説明として“異例”のことだ。

 さらに国広氏は東芝に対し、子会社で不…

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今沢真

経済プレミア編集部

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀キャップ、財研キャップ、民間企業キャップを歴任。2013年論説委員。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。