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85歳単身男性「死後の整理」を300万円で託した相手

毎日新聞経済部
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自身が亡くなった後の手続きに関する契約を結んだ男性(左)。右は三井住友信託銀行の担当者=東京都内の男性の自宅で2020年3月11日、三上剛輝撮影
自身が亡くなった後の手続きに関する契約を結んだ男性(左)。右は三井住友信託銀行の担当者=東京都内の男性の自宅で2020年3月11日、三上剛輝撮影

 社会の高齢化に伴い、1人暮らしの高齢者が増えている。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2020年には65歳以上の男性の15.5%、女性の22.4%が1人暮らしで、今後も増える見通しだ。身寄りがない人も多く、自身の死後の葬儀や諸手続きを誰に任せるかという不安を抱える高齢者は少なくない。どのような備えが必要になるのか。【毎日新聞経済部・三上剛輝】

 「自分のことで誰かに迷惑をかけたくない」。東京西部の都営住宅に1人で暮らす男性(85)はそう考え、死後の手続き一切を三井住友信託銀行に任せる契約を1月に結んだ。300万円を預け、葬儀の執行や親族・友人らへの連絡に加え、電話や電気、宅配サービスの解約などを任せることにした。

 19年12月から販売するサービスで、商品名は「おひとりさま信託」。この男性が依頼した事柄以外にも、残されるペットの引き受け手探しや、パソコンなどに保存してあるデータの消去なども請け負う。こうした死後の希望は、同行が用意する各依頼者の「エンディングノート」に記載する。依頼者の携帯端末に定期的にショートメッセージを送ることで、安否確認もしてくれる。

「300万円」安い金額ではないが…

 依頼者が契約時に預ける金額は、最低で300万円(依頼者が所定の生命保険に加入した場合は最低で50万円)。そこから手数料として、契約時に3万3000円▽死亡時に11万円▽1年ごとに6600円――を銀行側が差し引く。例えば、70歳で契約して100歳で死亡した場合、手数料は計34万1000円となる計算だ。葬儀などで必要となった費用を差し引き、残金が出れば希望する先に振り込んでくれる。

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毎日新聞経済部

経済の動きを追う記者の集団。金融市場の動き、企業動向、政府の経済政策や日銀の金融政策を日々追跡している。ワシントン、ロンドン、北京にも経済の専門記者を派遣している。