人生100年時代のライフ&マネー

3900円の遺言保管制度「手軽で確実」いいとこどり

渡辺精一・経済プレミア編集部
  • 文字
  • 印刷
 
 

 高齢化が進むなか、自分の死後に財産をどう引き継ぎたいかを伝える「遺言」への関心が高まってきた。作成のハードルは高かったが、法務局が遺言書を保管する新制度が7月10日に始まり、本人の死後に関係者に通知する仕組みも動き出す。遺言を手軽で確実に残せる環境が整ってきた。

 自分の人生の最期を見すえて、身辺を整理する「終活」が広がっている。家族らに思いを書き残す「エンディングノート」も身近になった。

 だが、相続で自分の意思に拘束力を持たせるには、法律が決める方法で「遺言」を作らなければならない。この場合は「いごん」と呼ぶ。主に(1)自筆証書遺言(2)公正証書遺言――の二つがある。

 自筆証書遺言は「内容・日付・署名」を自筆で書き、押印して作る。不動産や預貯金などの財産目録はパソコンで作ってもいい。費用はかからず、内容はもちろん、作成したことも秘密にできる。手軽で自由度が高いのがメリットだ。

 デメリットもある。本人が保管場所を伝えていないと、相続人は遺言に気づかないことがある。相続人に都合の悪いことが書いてある場合、遺言をもみ消されたり、改ざんされたりする可能性もある。

 本人の死後に自筆証書遺言が見つかれば、相続人は家庭裁判所の「検認」を受けなければならない。内容を明確にし、偽造や破棄を防ぐ手続きだが、そのため、相続手続きに時間がかかることがある。

 公正証書遺言は、本人が公証役場に出向き、公証人に作成してもらう。原本は公証役場に保管するため、偽造や紛失のおそれはなく、家裁の検認も不要だ。本人の死後、相続人は公証役場の検索システムで遺言があるかどうか調べることができる。遺言を残すには安全で確実…

この記事は有料記事です。

残り1371文字(全文2071文字)

渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。