経済記者「一線リポート」

安倍政権の新会議体制「コロナの不手際」挽回できる?

工藤昭久・毎日新聞経済部記者
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未来投資会議で発言する安倍晋三首相(左から2人目)=首相官邸で2020年7月30日、竹内幹撮影
未来投資会議で発言する安倍晋三首相(左から2人目)=首相官邸で2020年7月30日、竹内幹撮影

 政府の成長戦略を議論する「未来投資会議」(議長・安倍晋三首相)が、感染症の専門家らを加えた新たな体制で7月末、再始動した。

「新型コロナウイルス感染症の時代の新たな社会像、国家像を構想する」

 安倍首相はそう力強く打ち出したが、コロナに対応した安倍政権の経済対策は、現金を1人当たり一律10万円支給する「特別定額給付金」や旅行需要などの喚起策「Go Toキャンペーン」のように、政策決定や実行段階で、中身や運用の変更が相次ぐなど不手際が目立っている。

 安倍首相の記者会見は通常国会翌日の6月18日から、8月6日まで1カ月半に渡って開かれなかった。コロナの感染再拡大や「Go Toキャンペーン」を巡る方針転換、九州豪雨被害など国民生活に影響する問題が相次ぐが、記者の質問に短時間答える程度だけだった。これで首相の責任を果たしたと言えるのか。

 さらに首相の自民党総裁としての任期は残り約1年だ。政権の求心力の低下が叫ばれる中、再始動した未来投資会議は実効性のある政策を打ち出せるのか。それとも「やってる感」を醸成するだけの掛け声倒れに終わるのか。今後の行方を注視していきたい。

「経済活動進めたい」

 未来投資会議は2016年、政府の「産業競争力会議」と「未来投資に向けた官民対話」という二つの会議を統合して発足した。経済閣僚や財界首脳、企業経営者らがメンバーで毎年、成長戦略や構造改革などをテーマに議論してきた。

 しかし、新型コロナによる感染拡大によって、従来型の経済政策は修正を余儀なくされている。今回、政府の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」の尾身茂会長、国立感染症研究所の脇田隆字所長らを新たなメンバー…

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工藤昭久

毎日新聞経済部記者

 1974年生まれ。立教大学法学部卒。生命保険会社勤務を経て、2000年毎日新聞社入社。静岡、浜松支局を経て04年から東京経済部。財務、総務、経済産業、農林水産などの中央官庁や産業界、金融業界、財界などを幅広く取材。18年4月から大阪経済部編集委員として関西経済を取材。20年4月から経産、農水両省、エネルギー業界の取材を束ねるキャップ。