職場のトラブルどう防ぐ?

26歳契約社員「コロナ離職」を救う失業保険の特例措置

井寄奈美・特定社会保険労務士
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 A代さん(26)は都心部のファッションビルに入るアパレル店で働く、契約社員の販売員です。新型コロナウイルス感染拡大で、店の売り上げが低迷して8月末で閉店することが決まりました。契約更新の時期だったA代さんは「次は更新しない」と言われました。職探しをしていますが、すぐに仕事が見つからない場合に失業保険を受けられるのかなど、今後に不安を感じています。

 A代さんは、契約社員として4年目です。ファッション関連の専門学校を卒業後、知人の仕事を手伝ったり、さまざまなアルバイトをしたりしていました。今の店でアルバイトを始めて半年ほどで、契約社員になりました。

 契約は「1年更新」でした。毎年7月下旬に9月からの1年間の契約書を示され、わずかですが給料が上がりました。昨年から「チーフ手当」がつき、アルバイトのシフト作成をするようになりました。顔なじみの客も増え、やりがいを感じていました。

 しかし、新型コロナの感染拡大で、4月に緊急事態宣言が発令されたことでファッションビルが休業し、正社員の店長やA代さんら契約社員、アルバイトを含め店の全従業員が「自宅待機」となりました。待機中は「休業手当」が支給されましたが、通常の給料の約60%で、残業代や休日出勤手当もなく、手取りが大幅に減りました。

 宣言が解除された5月末に店は再開しましたが、客足は戻らず、売り上げは低迷しました。本社から経費を抑えるよう指示が出たため、アルバイトは土日だけ出勤とし、店長とA代さんら契約社員が早番と遅番に交代で入ることになりました。

 7月に入っ…

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井寄奈美

特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/