メディア万華鏡

「国防女子に美術館女子」消えない偏見社会のモヤモヤ

山田道子・元サンデー毎日編集長
  • 文字
  • 印刷
「美術館女子」など女性に対する固定観念や偏見は多い
「美術館女子」など女性に対する固定観念や偏見は多い

 モヤモヤする報道が続いた。一つ目は、7月28日の読売新聞のニュースメール「女性警官ら、飲酒後に交代で180キロ運転 翌朝まで各10~25杯飲む」。記事によると、愛媛県警の男性巡査2人と女性巡査1人が6~10時間にわたり、ビールやチューハイなどをそれぞれ10~25杯飲んだ後、1人が依頼して、残る2人が交代で約180キロの距離を運転した。

 3人は7月27日付で本部長訓戒となり、依願退職した。これって甘くないか? そう思い、クリックして出てきた最初の記事の見出しは「警官2人」だった。ニュースメールの見出しは「女性のくせに」で引き付けようとした意図があるのだろう。

今どき「銃後の母」?

 次は、朝日新聞が7月30日にウェブサイトに載せた記事。稲田朋美元防衛相ら自民党の女性国会議員でつくる「国防女子の会」などが7月29日、敵のミサイル基地をたたく敵基地攻撃能力を念頭に「打撃力」を持つことなどを政府に求める提言書を河野太郎防衛相に手渡したという。

 「国防女子」という戦時の「銃後の母」をほうふつとさせるネーミングのセンスには驚いたが、記事には「『女性にもわかりやすい説明』として平易な言葉を使うことも求めた」ともあり、怒りがわいた。

 そして、週刊文春8月6日号の「西日本新聞『特命女性記者』が不倫LINE全文送信で懲戒解雇」。二人は同紙の「特命取材班」に在籍していた。生々しいLINEを流出させたのが男性記者だったら、見出しに「特命男性記者」ととる?

 ついでに言うと、記事にあった「男性記者Aや女性記者B」との記述。見出しに従うなら女性記者がAだろう。読んでいて頭が混乱した。

「商業的な利益追求」

この記事は有料記事です。

残り829文字(全文1526文字)

山田道子

元サンデー毎日編集長

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞社入社。社会部、政治部、川崎支局長などを経て、2008年に総合週刊誌では日本で最も歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長、紙面審査委員。19年9月退社。