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「航続距離610キロ」日産の新型EVアリアはテスラ超え?

川口雅浩・毎日新聞経済プレミア編集長
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日産がリーフに続くEVとして2021年に発売するアリア=同社提供
日産がリーフに続くEVとして2021年に発売するアリア=同社提供

日産アリアの魅力とは(1)

 日産自動車が「リーフ」に続く第2弾の電気自動車(EV)、新型「アリア」を発表した。2021年中ごろに発売予定のアリアは、先行するリーフやライバルの米テスラと何が違うのか。航続距離や充電時間などEVの弱点をどのように克服しているのだろうか。

 アリアはカルロス・ゴーン前会長の旧体制下で新車開発に出遅れた日産が、起死回生を目指す世界戦略車だ。発売の前年に発表したのは、新体制で改革に取り組む日産の強い意志の表れなのだろう。

「日産の新たな歴史を開く」

 日産の内田誠社長は7月15日に開いた発表記者会見で、「アリアは日産の歴史の新たな扉を開くモデルだ。想像を超えるワクワクするドライビング体験を提供する」と力を込めた。

 10年、日産は世界初の量産EVとして初代リーフを発売した。「10年前、多くの人々はEVに懐疑的だった。お客様から厳しい声もあった。その声をアリアの開発に生かした」と、内田社長はEVの開発秘話を語った。

 では、これまでリーフを購入した「お客様の厳しい声」とは何なのか。

 日産は明らかにしないが、それはEVの弱点とされる航続距離の短さや充電時間の長さに加え、数年で航続距離が短くなる電池の劣化の問題だろう。毎日新聞経済プレミアは19年6月から9月にかけ、最新の日産リーフとテスラモデル3を実際に走らせ、これらの問題を計10回にわたりリポートした。

 初代リーフの発売当初から、EVは1回の満充電でどれだけ走れるかを示す航続距離の短さがネックとなった。日産やテスラはリチウムイオン電池の容量を大きくすることで、この問題を克服した。東京都心から高速道路を走り、神奈…

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川口雅浩

毎日新聞経済プレミア編集長

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部