クルマ最新事情

日産の新型EVアリア「電池」でテスラとガチ勝負

川口雅浩・毎日新聞経済プレミア編集長
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最大610キロの航続距離を誇る日産アリアの充電時間はどうなのだろうか=同社提供
最大610キロの航続距離を誇る日産アリアの充電時間はどうなのだろうか=同社提供

日産アリアの魅力とは(2)

 日産が2021年に発売する新型電気自動車(EV)「アリア」のライバルは、米テスラのスポーツタイプ多目的車(SUV)「モデルY」だろう。テスラ初の量産セダン「モデル3」とも競合するだけに、日産は「テスラ超え」をターゲットにアリアを開発したとみられる。

 それはアリアが急速充電の高出力化に対応したことと、リチウムイオン電池の温度を一定に保つバッテリークーラーを搭載したことに如実に表れている。高出力の充電とバッテリークーラーは充電時間の短縮に役立つ。電池の適切な温度管理は経年劣化を防ぐことにもつながる。この分野でテスラは日産リーフより先行していた。

 上級仕様で90キロワット時と大容量の電池を搭載し、航続距離が最大610キロに伸びたアリアが解決すべき課題は、充電時間を短縮することだった。リーフより大容量の電池を従来の方式で充電すれば、満充電まで時間がかかり、ユーザーの不満が予想された。

リーフにない新技術とは

 そこで日産は、アリアに最大出力130キロワットの高出力で急速充電できる高性能な電池を採用し、水冷式のバッテリークーラーも搭載した。現行の「リーフe+」は最大出力100キロワットの急速充電には対応するが、バッテリークーラーはついていない。

 EVのリチウムイオン電池は高速走行や登坂走行などで負荷がかかると温度が上昇し、充電しにくくなる。ゆっくり充電しないと電池が傷むため、「CHAdeMO(チャデモ)」方式と呼ばれる日本発祥の急速充電器は、EV側の電池の状態に応じ、充電スピードを制御している。

 現在、日本のチャデモの急速充電器は最大出力20~5…

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川口雅浩

毎日新聞経済プレミア編集長

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部