ニッポン金融ウラの裏

「お菓子の街」活性化へ東京・足立成和信金と地域の輪

浪川攻・金融ジャーナリスト
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足立成和信用金庫の本部で開かれた最終審査会=同信金提供
足立成和信用金庫の本部で開かれた最終審査会=同信金提供

 地域金融機関の本来的な役割の一つに、「地域社会の活性化」がある。新型コロナ禍の厳しい状況のもとで、地域活性化の努力を惜しまない地域金融機関がある。今回はそうした取り組みを紹介する。

 東京都足立区は中小・零細の工場がひしめく産業集積地だ。その産業の一つにお菓子製造がある。東京都菓子工業組合に加盟している企業の約30%が足立区で事業を営んでいる。中小・零細企業は昨今、どの産業も経営環境は厳しいが、新型コロナ問題でお菓子の業界もさらに苦しい状況に直面している。

「お菓子のレシピ」を児童に募集

 そうしたなか、足立区・北千住に本部を構える足立成和信用金庫(土屋武司理事長)が企画し実現にこぎつけたのが「第1回あだち夢のお菓子コンテスト」だ。足立区内の小学5、6年生を対象に「お菓子のレシピ作り」を5、6月に募集した。

 同信金が事務局となり地元のお菓子業者、足立区役所、小学校に声をかけた。足立区・西新井のショッピングモール「アリオ西新井」を運営しているイトーヨーカ堂も加わって「オール足立」のイベントになった。

 レシピの応募件数は271に達し、地元のお菓子製造の事業者が実現性などの観点から事前審査を行い、30作品が最終審査の対象となった。グランプリに選ばれた児童のレシピは、実際にお菓子業者が仕上げる。

 7月21日、同信金の本部で最終審査会が開かれた。審査委員は、足立区の近藤やよい区長、河田靖彦・イトーヨーカ堂取締役、土屋理事長のほか、東京商工会議所足立支部の代表、地元の事業者や大学生らが務めた。

 グランプリなど入賞作品は8月31日に同信金のホームページなどで発表される。近藤足立区長は「グラン…

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。