「コロナ危機」経済の視点から

オリックス宮内氏「コロナ後は日本版ジョブ型雇用を」

毎日新聞経済部
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インタビューに答えるオリックスの宮内義彦シニア・チェアマン=東京都港区で2020年7月31日、小川昌宏撮影
インタビューに答えるオリックスの宮内義彦シニア・チェアマン=東京都港区で2020年7月31日、小川昌宏撮影

 新型コロナウイルスによる急激な経済や社会の変化にどう対応すべきでしょうか。経営者や有識者に提言を聞きます。今回は、政府の規制改革の会議トップを長年務めたオリックスの宮内義彦シニア・チェアマンです。【聞き手は毎日新聞経済部・松倉佑輔】

あらわになった政治・行政の課題

 コロナ禍であらわになったのは、時代に遅れてしまった統治機構やビジネスのあり方ではないか。今回、ウイルスという見えない敵に社会が右往左往する中で、司令塔である政府の方針が明確ではなく、継ぎはぎの政策対応の様子が浮かび上がった。根本の問題は、日本の政治・行政の統治能力が衰えて構造改革も進んでいないことだ。明治以来の縦割り行政の中で、危機に際して政策を総合化するシステムがない。行政改革は過去に何度も叫ばれてきたが、根本の官僚組織の改革は進んでこなかったことが改めて明らかになった。

 政治も現状維持を旨とする官僚的思考に動かされているのか、政治主導も機能せず、危機に臨機応変に対応できていない。例えば、一斉休校も本来はオンライン授業で対応できたはずだが、設備が整っておらず休校という措置しかとれなかった。オンライン診療の議論もずっと続いてきたが、何も変わっていないことが分かった。生活に直結する部分で規制改革が進まなかったことのマイナスがあらわになった。

テレワーク推進なら「日本型雇用」見直せ

 民間企業も変化が必要だ。リモートワークが注目されているが、日本は人を雇ってから仕事を割り当て、チームで成果を上げる「メンバーシップ型雇用」が主流で、一人一人の職務を明確に定めた欧米の「ジョブ型雇用」ではない。このため、在宅勤務の人を評価…

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毎日新聞経済部

経済の動きを追う記者の集団。金融市場の動き、企業動向、政府の経済政策や日銀の金融政策を日々追跡している。ワシントン、ロンドン、北京にも経済の専門記者を派遣している。