経済記者「一線リポート」

GoToトラブル?記者が聞いた観光事業者の嘆き

道永竜命・毎日新聞経済部記者
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Go Toトラベルキャンペーンの初日にもかかわらず、閑散とした手荷物預かりのカウンター=東京都大田区の羽田空港で2020年7月22日、斎藤文太郎撮影
Go Toトラベルキャンペーンの初日にもかかわらず、閑散とした手荷物預かりのカウンター=東京都大田区の羽田空港で2020年7月22日、斎藤文太郎撮影

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、見切り発車された「Go Toトラベル」。旅行代金の35%の割引と土産物店などで使える15%のクーポンを組み合わせ、旅行代金の計50%を政府が支援する観光喚起策だが、開始直前に対象から東京都が除外され、キャンセル料の支払いを巡っても二転三転し、「Go Toトラブル」「強盗キャンペーン」などと散々な評判だ。しかし、開始前日に開かれた事業者向け説明会に出席した人たちに話を聞くと、旅行業界は切羽詰まった状況に追い込まれていた。

 最初の説明会があったのは7月21日。東京都内で午前と午後の2回に分けて開かれた。取材するため、会場に入ろうとすると受付で止められてしまった。地方ではマスコミに公開した会場もあったようだが、この会場ではシャットアウト。各社の記者やテレビクルーが会場の外で終了を待った。

 終了予定時刻をやや過ぎたところで、出席者が続々と外に出てきた。数人に声をかけたところで、都内の旅行会社社長(46)が足を止めてくれた。

 会場の様子を聞くと「みんな命がけで説明会に来ているような感じ」だったという。不満と怒号が噴出する説明会を勝手に想像していたが、「僕もそんな雰囲気になるかと思ったけれども割合穏やかだった。苦言レベルの発言は二つ三つあったけれども、何とか自分の会社を登録したいというのと、扱っている商品が対象になるのかという具体的な質問をしていた」という。もめている時間すら惜しいということのようだ。

 別の社長(64)は「3月10日くらいから予約が全部消えた。昨年の売り上げが100だとしたら今は3。もうお先真っ暗」と諦めたような口ぶり。ほかの社長らに…

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道永竜命

毎日新聞経済部記者

1979年北海道生まれ。明治大学卒。北海道の地方紙記者を経て、2012年毎日新聞社に入社。中部報道センターを振り出しに岐阜支局、大垣通信部を経て、再び中部報道センター。19年5月から東京本社経済部で、電機メーカーなどの製造業を中心に取材。20年4月からはコロナ禍で進む企業のデジタル化などを取材している。