
従業員数約700人のサービス業を営む会社に勤める斉藤さん(仮名、50代男性)は先日、がんの手術のために短期入院しました(前回参照)。この会社の産業医を務める私は、退院から1週間がたったタイミングで斉藤さんと面談しました。今後、働けるかどうかを判断するためでした。
「迷惑をかけないか不安」
斉藤さんについては、事前にこの会社の人事部長から相談を受け、普段は営業担当として外回りをしていることなどを聞いていました。斉藤さんはこの年の健康診断の結果、精密検査を受けるよう判定が出て、病院を受診したところ、初期のぼうこうがんと診断されました。
面談に先立ち、斉藤さんには同意してもらった上で、私から主治医へ病状や今後の治療予定について問い合わせの書面を出し、返信をもらっていました。書面には、主治医が内視鏡で手術を行い、面談の日の翌週から追加治療として週1回、通院して薬物を注入する化学療法を計8回行うことが記載されていました。追加治療後も3カ月に1回、再発の有無を調べる精密検査が必要ということでした。
斉藤さんは治療内容や今後の経過観察について十分に理解していました。また、手術と入院、自宅療養で2週間ほど休業していましたが、体力の低下は感じていませんで…
この記事は有料記事です。
残り1168文字(全文1694文字)
投稿にはログインが必要です。
注目コンテンツ