イマドキ若者観察

「日本の文化が好き」移住希望する欧米の若者たち

藤田結子・明治大商学部教授
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日本のアニメやゲームに憧れ、来日する欧米の若者は多い
日本のアニメやゲームに憧れ、来日する欧米の若者は多い

 海外から日本へ来る若者は、中国や韓国などアジアの若者が中心です。しかしここ数年、東京の渋谷や高田馬場に欧米の若者が集まる様子が見られます。今はコロナ禍で数が減りましたが、いったい何を目的に日本にやって来るのでしょうか。

欧米の裕福な若者が日本へ

 渋谷駅近くの日本語学校。スイスに本部があるこの学校では、欧米出身の10~20代が生徒の8割以上を占めています。アメリカ、スペイン、ドイツ、スウェーデンなど出身地はさまざまです。

 話を聞くと、比較的裕福な家庭の若者が多く、「単位取得のお祝いにパパが日本行きをプレゼントしてくれた」「他にもいろいろな国へ行った」など、出稼ぎでないことは確かです。大学に通って単位を得るような従来の留学とも違います。

 この若者たちは、なぜわざわざお金と時間をかけて、数週間~数カ月もの間、日本に滞在するのでしょうか。

「文化」に魅せられ移住希望

 日本に来る大きな理由として、アニメやゲーム、ファッションなど日本の文化への関心があります。たとえば、イタリア出身のソフィアさん(10代、仮名、以下同)はこう話します。

 「日本が大好き。アニメと原宿ファッション。高校の先生は日本語があまりできないのだから日本に行かない方がいいと言ったけど、私は来ちゃった。将来は日本に移住したいし、仕事したい」

 アメリカ出身のエマさん(10代)は、将来スタジオジブリで働きたいと希望しています。

 「スタジオジブリが大好き。たとえば『千と千尋の神隠し』や『となりのトトロ』。日本語を勉強して将来はジブリで翻訳の仕事をすることが夢」

 南米出身者もいます。ブラジル出身のミゲルさん(20代)はこう語りま…

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藤田結子

明治大商学部教授

東京都生まれ。慶応義塾大を卒業後、大学院留学のためアメリカとイギリスに約10年間滞在。06年に英ロンドン大学で博士号を取得。11年から明治大学商学部准教授、16年10月から現職。専門は社会学。参与観察やインタビューを行う「エスノグラフィー」という手法で、日本や海外の文化、メディア、若者、消費、ジェンダー分野のフィールド調査をしている。