ニッポン金融ウラの裏

コロナ収束見通せず「銀行の経営問題」に発展する懸念

浪川攻・金融ジャーナリスト
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=東京都江東区で2018年7月15日、武市公孝撮影
=東京都江東区で2018年7月15日、武市公孝撮影

 新型コロナウイルス問題の収束が見込めないなか、今年度下期の銀行決算の悪化を危ぶむ声が早くも強まっている。しかも「収益力の悪化」「信用コストの増大」といった銀行経営を揺るがす二つの点から強く不安視され始めている。

銀行の収益の源泉が……

 上場企業の4~6月期決算は、航空、運輸、鉄鋼といった業種を中心に、巨額赤字や大幅減益になる企業が続出した。また、中小・零細企業の経営状況も深刻で、資金繰りに苦しむ事態が依然として続いている。

 中小・零細企業に対しては資金繰り対策が幅広く行われている。実質無利子・無担保の公的融資のほか、保証協会の保証制度が積極的に活用されている。保証協会の保証をつけず、銀行がリスクを負う形の「プロパー融資」も行われている。

 この取り組みは評価されてしかるべきだ。だが、実質無利子という融資形態や、金利を抑えたプロパー融資は銀行にとって利ざや縮小につながっている。

 一方で、「…

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。