経済記者「一線リポート」

ポスト安倍で「戦後最悪のマイナス」は脱却できるか?

森有正・毎日新聞津支局次長
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記者会見で辞意を表明する安倍晋三首相=首相官邸で2020年8月28日、竹内幹撮影
記者会見で辞意を表明する安倍晋三首相=首相官邸で2020年8月28日、竹内幹撮影

 内閣府が8月17日に発表した2020年4~6月期の国内総生産(GDP、季節調整値)の速報値は、年率換算の実質で前期比27.8%減となり、新型コロナウイルス感染症の影響で戦後最悪のマイナス幅となった。

 安倍晋三首相は28日、首相官邸で記者会見し、「病気の治療を抱え、体力が万全でない中、大切な政治判断を誤ること、結果を出せないことがあってはならない。総理大臣の職を辞することとした」と述べ、辞意を表明した。

 次期政権の経済政策がどうなるのか、現時点では見通せない。次期政権が「もう一度、成長軌道」を目指すのであれば、新型コロナへの対応が欠かせない。専門家の知見を生かし、なんとか今の感染拡大を食い止め、安心して暮らせる毎日を取り戻せないものか。あらゆる政策を総動員してコロナを封じ込めない限り、経済活動は元に戻らず、景気の行方は見通せないだろう。

 17日発表の年率換算の実質GDPは485.1兆円。東日本大震災発生直後の11年4~6月期(485兆円)の水準まで落ち込んだ。新型コロナの感染もなく、消費税増税前の19年7~9月期(539.3兆円)と比べて約10%も減少した。

 実質GDPの年率換算額が5…

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森有正

毎日新聞津支局次長

 1974年神奈川県生まれ。2001年毎日新聞社入社。長野、松本支局を経て、2006年から経済部で情報通信行政やIT企業、鉄鋼業界などを担当した。12年4月から中部報道センターで、トヨタ自動車や中部電力などを取材。19年4月から国の予算編成などを担う財務省を担当し、20年4月からキャップを務めた。20年10月から現職。