地域で光る小さな会社

「郊外こそ強み」人気パティシエが3年で築いた繁盛店

櫻田弘文・クエストリー代表取締役
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メゾンジブレーのオーナーシェフ、江森宏之さん=筆者提供
メゾンジブレーのオーナーシェフ、江森宏之さん=筆者提供

 唯一無二のビジネスを作り上げている中小企業が全国各地に存在します。各地で専門店や飲食店のブランド作りを指導するコンサルタントの櫻田弘文さんが、具体的な実践方法と成功のポイントを探ります。

 神奈川県大和市の中央林間駅は、東京・渋谷駅を起点とする東急田園都市線の終着駅で、急行で40分ほど。周囲は郊外のベッドタウンだ。中央林間駅から東へ徒歩約5分の住宅街にパティスリー「メゾンジブレー」がある。童話の世界から飛び出したような三角屋根が目印の店舗だ。業界で名の知れたオーナーシェフがフルーツにこだわり、郊外に店を持ったことも奏功して知名度を上げている。

フルーツへのこだわり

 同店の開業は2017年7月だ。3年あまりで地元だけでなく、遠方からも多くのリピーターが足を運ぶ繁盛店となっている。昨年、中央林間駅から渋谷方面へ二つ目の駅に隣接する大型商業施設「グランベリーパーク」に2号店をオープンした。

 店内には、フルーツをふんだんに使った色鮮やかなケーキやジェラートが並ぶ。「フルーツ使いの魔術師」「フルーツ王子」とメディアやファンから呼ばれるオーナーシェフの江森宏之さん(45)は、自分がほれ込んだフルーツだけを、市場を通さずに直接仕入れて扱うことにこだわっている。

 江森さんは自ら扱うフルーツについて「みずみずしさと、熱を加えて生まれる凝縮された果実味、断面の…

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櫻田弘文

クエストリー代表取締役

1955年山梨県生まれ。日本大学卒業後、78年に販売促進の企画・制作会社に入社。2001年、クエストリーを設立して独立。中小企業経営者向けの「クエストリー・ブランディングクラブ」を主宰する他、数多くの専門店や飲食店のブランディングを実践的に指導している。