産業医の現場カルテ

「女性部下が体調不良」40代男性上司が話すべきこと

佐藤乃理子・産業医・労働衛生コンサルタント
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 杉田さん(仮名、40代男性)は、従業員数約500人のアパレル企業の総務部で課長を務めています。私は、杉田さんから「ある女性部下の体調が時折悪いようだが、どう声をかけていいかわからない」と相談を受けました(前回参照)。実際、この部下は月経前症候群(PMS)という女性特有の症状に悩まされていました。私は、杉田さんにどう対応するのがよいかを話しました。

 当初、杉田さんは「気分の悪そうな女性部下がいたので声をかけました。『大丈夫です』と返されたのですが、どうも気になっています」と私のところに相談にきました。その部下は普段はとても元気な人ですが、月に数日、落ち込んで仕事が手に着かない様子だといいます。

 ただ、杉田さんは「女性特有の症状ではないかと気になっているのですが、本人にそう聞くとセクシュアルハラスメントとか言われるのではないかと……」と困り顔でした。どのように声をかければよいか悩んでいたのです。

 そこで私は、まず女性部下に対して、仕事に支障が出ていないかを率直に聞く▽体調が悪いのであれば会社の産業医への相談をすすめる――ことを杉田さんに伝えました。女性…

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佐藤乃理子

産業医・労働衛生コンサルタント

2002年、藤田保健衛生大学医学部卒業。泌尿器科医として病院に勤務しながら、がん治療薬の基礎研究にあたった。10年に厚生労働省健康局へ出向して臓器移植関連の政策に従事し、13年に北里大学医学部に所属し、同大学病院の医療マネジメント、経営企画に参画。15年に日本医師会認定産業医となり、複数の企業の嘱託産業医を務めてきた。20年4月に労働衛生コンサルタントを取得し、幅広く働く人の健康や職場環境の管理に関する相談を受ける。また、東京都檜原村で労働環境やライフスタイルのあり方を提案する「檜原ライフスタイルラボ」の共同代表を務める。