
マンションの防災といえば、これまでは火災や地震への備えが中心だったが、台風や集中豪雨の災害が増えるなか、新たに風水害対策も焦点となっている。9月1日は「防災の日」。防災対策についてぜひ確認しておきたい。
規模問わない「地下浸水」
昨年10月の台風19号では、川崎市中原区・武蔵小杉エリアのタワーマンションが浸水被害にあったことが大きく報じられた。
増水した多摩川の水が排水管から逆流してマンション周辺が浸水し、マンション地下の電気室に水が流れ込んで、停電や断水が発生した。
武蔵小杉エリアはタワーマンションが林立していることで知られることもあり、一連の報道では、タワーマンションの災害リスクがことさら強調されてしまった印象がある。確かに、タワーマンションでエレベーターが止まれば、高層階の住民は移動手段がなくなり、日常生活に大きな影響がある。
だが、マンションの電気室や給水設備は、マンションの規模に関わらず、地下に配置されていることも少なくない。一帯が浸水し、水が流れ込んで電気や水道などのライフラインが止まれば、生活に不自由を強いられるのは、なにもタワーマンションに限らない。同じような被害はタワーマンション以外でも十分起こり得る。
中小マンションこそ「自助共助」
一定規模以上のマンションには、建物内の防災管理を集中的に行う「防災センター」の設置が消防法施行規則で義務づけられている。東京都の大規模マンションは、防災センターを置いて、24時間体制でスタッフが常駐し、防火や防災に関する講習を修了した「防災センター要員」資格者を配置する必要がある。
このように大規模マンションは、災害時に被…
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