海外特派員リポート

アップルは市場を独占?「人気ゲーム削除」の波紋

中井正裕・北米総局特派員(ワシントン)
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米エピック・ゲームズの人気ゲーム「フォートナイト」=同社のホームページから
米エピック・ゲームズの人気ゲーム「フォートナイト」=同社のホームページから

 アップルが8月13日、米ゲームソフト開発大手エピック・ゲームズの運営する人気ゲーム「フォートナイト」を公式アプリストア「アップストア」から削除した。

 アップルはアプリの販売や課金に30%の販売手数料を課している。これに不満を持つエピック社が独自の課金システムを立ち上げたことが、アップルの利用規約に違反したためだ。エピック社はアップルが市場の独占的な地位を乱用しているとして連邦地裁に提訴し、IT業界を巻き込む全面対決に発展している。

 フォートナイトは、インターネット上の仮想世界で100人の参加者が戦い、生き残りを競う対戦型オンラインゲーム。欧米を中心に世界で3億5000万人以上が利用しているとされる。パソコンやスマートフォン、ゲーム機からアプリを無料でダウンロードし、利用者はゲーム内で使用するアイテムを購入する仕組みだ。

 フォートナイトのアプリは、パソコンではネット経由で直接ダウンロードできる。一方、アップルのスマホ「iPhone(アイフォーン)」では、アプリ配信や決済について「アップストア」など同社のシステムを利用するよう義務付けられている。アップルがアプリの安全性を審査し、ウイルスが含まれていたり、詐欺に悪用されたりするようなアプリを排除するためだ。

 エピック社は「販売手数料が高すぎる」としてアップルを介さない独自システムでの課金を認めるよう交渉していたが、アップル側は拒否した。

 エピック社は8月13日、独自の決済システムの導入を強行し、アイテムの値引き販売を始めた。アップルはユーザーに直接課金を禁止する利用規約に違反したとして、フォートナイトを公式アプリから削除。エピック社は…

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中井正裕

北米総局特派員(ワシントン)

1975年京都府生まれ。立命館大学法学部卒。2000年毎日新聞入社。岐阜支局、中部報道センターを経て、09年から経済部で電力改革、貿易交渉、日銀などを取材。政治部にも在籍し、首相官邸、自民党などを担当した。18年10月から現職。