スルガ銀行 不正の構図

スルガ銀融資の「帳消し」求めた3度目調停の行方は?

今沢真・経済プレミア編集部
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25人の民事調停申し立てについて記者会見で説明する紀藤正樹弁護士(中央)ら=東京都千代田区で9月1日、今沢真撮影
25人の民事調停申し立てについて記者会見で説明する紀藤正樹弁護士(中央)ら=東京都千代田区で9月1日、今沢真撮影

 スルガ銀行のシェアハウス不正融資問題で結成された弁護団は総勢56人にのぼる。このうち副団長を務める紀藤正樹氏ら弁護士5人が9月1日、東京地裁で記者会見した。アパート、マンションといった投資用不動産向けでもスルガ銀行が不正な融資を行い、会社員25人が返済不能に陥っているとして民事調停を申し立てたことを明らかにした。

 25人の平均年齢は48歳。いずれも2014年から18年にかけてスルガ銀行の融資でシェアハウス1~3棟を購入した。18年にシェアハウス運営会社が破綻。巨額の借金を抱え、購入者で作る「被害者同盟」に加わった。銀行との交渉を弁護団に依頼し、今年3月にシェアハウスの借金は「帳消し」することで決着した。ところが、シェアハウスとは別に、アパート、マンション物件を1~4棟購入していた。

 物件は全部で33件。中古マンションや新築アパート、新築ワンルームマンションだ。物件は東京、大阪といった大都市から札幌、高松など地方都市にもある。1人平均約9700万円で購入し、現時点の借金残高は同9050万円。「被害者同盟」のメンバーは約250人おり、ほぼ10人に1人が、シェアハウス以外の物件を購入していたことになる。

 25人のうち5人がこの日の記者会見の壇上にのぼり、スルガ銀行による「不正」の実態を匿名で訴えた。

 東京都内在住の男性(39)は、「シェアハウスを2棟購入し、それは救われた。でも、同じスルガ銀行の支店で融資を受け、1億円で購入したアパートが残っている」と現状を説明。「銀行に購入時の資料開示を求めたところ、105万円しかなかった預金口座の残高が2205万円に改ざんされていた」と指摘する…

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今沢真

経済プレミア編集部

1959年東京都生まれ。早稲田大法卒。83年毎日新聞社に入社。静岡支局、東京本社整理本部を経て89年経済部。税・財政や金融政策を担当、銀行、メーカー、流通業を取材する。2013年から論説委員として毎日新聞の社説を執筆。15年6月から経済プレミア創刊編集長、19年6月から同編集部。16年「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)を出版。城西大非常勤講師のほか、日大経済学部などで教壇に立つ。