ニッポン金融ウラの裏

国際金融センター「香港の受け皿」日本は難しい理由

浪川攻・金融ジャーナリスト
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政府に抗議し、幹線道路を金融街・中環(セントラル)に向けて行進する市民=香港・銅鑼湾で2019年12月8日、福岡静哉撮影
政府に抗議し、幹線道路を金融街・中環(セントラル)に向けて行進する市民=香港・銅鑼湾で2019年12月8日、福岡静哉撮影

 国際金融センター構想の論議が再燃している。東京都の小池百合子知事が東京の国際金融センター化に向けた議論を続けてきているが、これとは別に、大阪などを想定した構想もくすぶり始めた。しかし、金融の専門家たちの間では冷めたムードが漂っている。

 国際金融センター構想がここにきて浮上してきた背景には、香港の政情不安がある。香港はシンガポールと並ぶアジアの国際金融センターだ。その香港が政治的に動揺を来し、このままでは金融資本が「脱・香港」に動く可能性が高まってきたからだ。その受け皿として、わが国に国際金融センターを創設するという考え方だ。

 確かに香港の厳しい情勢を見ると、それに代わる金融センターが求められる状況ではある。しかし、国際金融センターが日本に本当にできるのかといえば、「甚だしく視界不良だ」という声が少なくない。

 「東京を国際金融センターに」という議論は古くて新しいテーマだ。過去に幾度となく浮上し、検討された。大阪を中心とする関西圏や福岡県を新たな金融センターに位置づける構想も政府内で検討さ…

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。