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投資信託の通知表「高コストほど低成績」の悲しい現実

渡辺精一・経済プレミア編集部
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 金融庁が8月25日、投資信託の運用会社がどのくらいの運用成果を上げているかという調査結果を公表した。いわば運用会社の「通知表」だが、手数料などの運用コストが安い投信では健闘が目立ち、「コストが高い投信ほど運用成果が悪い」という、一般常識とは逆の相関関係も明らかになった。

 調査は、運用会社の運用成果を「累積リターン」「シャープレシオ」などの指標で比較した。累積リターンは一定期間中の収益率。シャープレシオは、投資のリスク(価格変動)の大きさに対し、どれだけリターンを得られたかという運用効率を示し、数値が大きいほど運用効率は高い。

 QUICK資産運用研究所が委託を受け、投信約5500本を対象に2020年3月末時点から過去5年の運用成果を測り、運用会社や投資対象分野ごとに平均値を算出した。

 20年3月末は、新型コロナウイルスの感染拡大による「コロナショック」で暴落相場となった時期。投信全体でみると過去5年の累積リターンはマイナス10.1%となり、19年3月末の22.7%から大きく落ち込んだ。5年平均シャープレシオもマイナス0.06と19年3月末の0.38から一転マイナスになった。

 こうしたなかでも、少額投資非課税制度(NISA)の積み立て専用版「つみたてNISA」対象の投信のシャープレシオは0.14、確定拠出年金(DC)専用の投信は同0.17と、比較的健闘した。

 つみたてNISAは、金融庁が対象を長期投資に向く投信約180本に絞り、運用中に負担する信託報酬率が低いものに限定している。DC専用投信も長期積み立てを前提としており、運用コストを低く抑えたものが多い。

 投信は、運用方針からイ…

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。