海外特派員リポート

食事代が半額「英国版Go Toイート」に日本が学ぶこと

横山三加子・毎日新聞欧州総局特派員(ロンドン)
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英国版「Go Toイート」でレストランは盛況だった=ロンドンで8月31日、横山三加子撮影
英国版「Go Toイート」でレストランは盛況だった=ロンドンで8月31日、横山三加子撮影

 英国の8月第4週のレストランの予約状況は、前年同期比で63%増と大幅に増えた(予約サイト・オープンテーブル調べ)。

 これは新型コロナウイルスで4~6月期の国内総生産(GDP)が実質の年率換算で前期比マイナス59%超と、欧米主要国で最悪の経済減速にあえぐ英国で起きた“景気のよい”現象だ。

 誘因は英政府が打ち出した飲食店向けの需要喚起策。英国は欧州最多の死亡者が出るなど新型コロナの感染拡大が深刻だった。経済活動の再開も遅れていたが、感染拡大が収まるにつれ、これを利用して食事を楽しもうと多くの人が街に繰り出したのだ。

 一方、日本で同様の需要喚起を行う「Go Toイート」事業の開始はこれから。一足先に「お得な制度」を実施した英国の試みはうまくいったのか。

 英政府は8月の1カ月限定で、登録した店で月~水曜日に外食すると1人10ポンド(約1400円)を上限に食事代の50%を割り引く「Eat Out to Help Out(外食をして助けよう)」キャンペーンを行った。

 アルコールは割引とならなかったものの、外食なら期間中の利用に回数制限はなかった。このため店の予約を取るのが難しくなり、店の前には行列ができた。新型コロナ対策で店内の席数を絞った店は、テラス席を拡大して客を呼び込んだ。

 「制度があったから対象日は毎度外食した。お得だし、飲食店の従業員の雇用にもいい」と話すのは最終日の8月31日、ロンドン中心部の人気チェーン店前に友人と並んでいた小売店勤務のルクサーナさん(23)。

 多くの人が制度に好意的で、最終的に8万4700店が参加し、割引は1億食以上にのぼった。

 割引に費やした5億2200…

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横山三加子

毎日新聞欧州総局特派員(ロンドン)

1981年、埼玉県生まれ。法政大学社会学部卒。2004年、毎日新聞社に入社。岡山支局、大阪本社経済部を経て13年から東京本社経済部。電機・通信業界、経済産業省や財務省、財界などを担当。19年10月から現職。