身近なデータの読み方

コロナで人口移動に異変「東京への転入」女性は大幅減

篠原拓也・ニッセイ基礎研究所主席研究員
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 新型コロナウイルス感染症は、人々の生活にさまざまな影響を与えている。なかには、感染拡大の中心になっている東京への移住をやめた人や、その東京にいることを避けるために地方に引っ越した人もいるだろう。今回は、コロナ禍と人口移動について考えてみよう。

 総務省は、住民基本台帳に基づき、国内における毎月の人口移動の状況を明らかにしている。近年、東京への転入が進む「東京一極集中」が問題となっているが、今年は5月に続いて、7月も転出超過となった。コロナ禍の影響で、感染拡大の中心となっている東京への移住を避ける動きがあったものとみられる。

 ここ数カ月の東京都の人口移動をみると、5月は1069人の転出超過、6月は1669人の転入超過、そして7月は2522人の転出超過となった。東京都に埼玉、千葉、神奈川の3県を加えた「東京圏」でみても、7月は1459人の転出超過だった。これは、集計に外国人を加えるようになった2013年7月以来、初めてのことだという。

 ここで注意しておきたいのは、性別や年齢層によって人の動きが異なる点だ。

 7月の東京圏を男女別にみると、男性は1710人の転出超過なのに対し、女性は251人の転入超過。年齢層別にみると、20歳代は2043人の転入超過だが、その他の年代…

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篠原拓也

ニッセイ基礎研究所主席研究員

1969年、東京都生まれ。早稲田大理工卒。92年、日本生命入社。2014年から現職。保険事業の経営やリスク管理の研究、保険商品の収益性やリスクの評価、社会保障制度の調査などを行う。公益社団法人日本アクチュアリー会正会員。著書に「できる人は統計思考で判断する」(三笠書房)がある。