スルガ銀行 不正の構図

スルガ銀から借金3億円“悪夢の3カ月”会社員の悔恨

今沢真・経済プレミア編集部
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交差点の四方に分かれて行われたスルガ銀行への抗議デモ=東京都中央区で9月2日、今沢真撮影
交差点の四方に分かれて行われたスルガ銀行への抗議デモ=東京都中央区で9月2日、今沢真撮影

 東北地方の都市に住む50代の会社員、Bさんの人生は3年前に大きく狂い、“迷い道”に入ってしまった。不動産業者の誘いに乗り、スルガ銀行の融資で二つの物件を相次いで購入した。背負った借金は3億円。Bさんの年収は900万円。取り立てて資産はない。いま考えれば“悪夢”のようなスルガ銀行との3カ月をたどった。

 発端は2017年3月。Bさんの携帯に不動産会社の営業担当から投資を勧誘する電話が入った。その業者は何度も電話をよこした。断ったが、そのうち「新築されるシェアハウスはどうですか」と東京都内の物件を勧めてきた。約1億4000万円だという。

 「医療関係の寮になることが決まっています。家賃収入が保証され、収支は月十数万円プラスになります。スルガ銀行がきちんと融資の審査をするし、売っても借金は返せます」。誘いの言葉に「信じてみようかな」と思ってしまった。スルガ銀行の横浜東口支店で借り入れの契約をした。

 そのとき1000万円の無担保ローン借り入れが条件と言われた。借金は合わせて1億5000万円に膨らんだ。物件はその年の12月に完成するという説明だった。

 シェアハウスの契約から3カ月後。同じ業者が今度は「1棟ものの中古マンションも持っていた方がいい」と言い出した。大阪市内の7階建ての物件だった。築32年で1億5000万円。返済期間は28年で、金利はシェアハウスと同じ3.5%だった。

 この物件は13室を賃貸していて、家賃収入から銀行への返済を差し引いて「月10万円以上のプラスになる」と説明された。古そうな物件だった。だが、「空室が出ても家賃を保証します」と言われ、契約することにした。スルガ銀行の…

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今沢真

経済プレミア編集部

1959年東京都生まれ。早稲田大法卒。83年毎日新聞社に入社。静岡支局、東京本社整理本部を経て89年経済部。税・財政や金融政策を担当、銀行、メーカー、流通業を取材する。2013年から論説委員として毎日新聞の社説を執筆。15年6月から経済プレミア創刊編集長、19年6月から同編集部。16年「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)を出版。城西大非常勤講師のほか、日大経済学部などで教壇に立つ。