
「抗菌作用が高い健康食品」として販売されているニュージーランド特産の高級蜂蜜マヌカハニーから除草剤グリホサートが微量ながら検出された。グリホサートは米国では発がん性をめぐる訴訟が相次いでおり、「マヌカハニーは危険」とあおるメディアもある。だが、実は、この問題の重要なポイントは別にある。
NZ政府報告書「安全性に問題なし」
マヌカハニーはニュージーランドに自生する低木マヌカの花蜜から採れる。抗菌活性が高い成分メチルグリオキサールが豊富に含まれており、健康食品として通常の蜂蜜の数倍の価格で販売されている。
販売業者の多くは「胃がんを引き起こすピロリ菌を抑える」「風邪やインフルエンザなどの抗ウイルス効果がある」「虫歯、歯周病、口内炎、口臭の予防に効果がある」などと宣伝している。
ニュージーランド政府は今年1月、蜂蜜の残留農薬について検査報告書を公表した。マヌカハニーは、2017~18年の検査で116検体中19検体から、18~19年の検査では60検体中11検体から、グリホサートを検出したが、いずれも残留基準値(0.1ppm)以下で「安全性に問題ない」とした。
このときは話題にもならなかったが、ニュージーランドのテレビ局が7月「マヌカハニー業界が販売への影響を懸念している」と報じ、これを受けて、日本のネットニュースが8月「高級蜂蜜から発がん性疑惑農薬」というショッキングな見出しの記事を掲載した。
週刊朝日は9月4日「マヌカハニーから除草剤グリホサート検出 『基準値以下』でも残る不安」という見出しの記事を掲載。「健康にいいものだから、と高いお金を出していました。発がん性のあるグリホサー…
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