イマドキ若者観察

新宿ゴールデン街 若者がハマる「サードプレイス」

藤田結子・明治大商学部教授
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新宿ゴールデン街は近年、若者や外国人らでにぎわうようになった=東京都新宿区で
新宿ゴールデン街は近年、若者や外国人らでにぎわうようになった=東京都新宿区で

 東京の新宿駅東口から徒歩5分に位置する新宿ゴールデン街。約300店ものスナックやバーが軒を連ねるこの街に、近年、多くの若者が訪れるようになりました。今回は、なぜ今どきの若者がゴールデン街にハマるのか、現役大学生が取材しました。

 「ゴールデン街のお店で知り合った人と連絡先を交換するとき、基本ツイッターでするかな。初めて行ったお店で『本名じゃなくていいよ』って言われたから、ハンドルネームを名乗ってる。お店に行けないときでもツイッターを見て投稿に『いいね!』をしたり」

 都内の私立大学に通う菜々子さん(20代、仮名)は、ゴールデン街のお気に入りの店をツイッターでフォローしています。ママさんやお客さんと常時つながっています。

 ゴールデン街には、フォロワーが5万人以上いる有名店もあります。ツイッターでお店の様子を伝えていて、そのおしゃれな店内写真や粋なつぶやきが人気を博し、全国から若者が訪れます。

 リアルとバーチャルが交わる空間で、本名を名乗らずに過ごす居心地のよさを若者たちは見いだしているのです。

 「ゴールデン街って居心地いいんだよね。みんなフレンドリーだから1人でも入りやすい」(20代女性、会社員)

 「25歳くらいの自分と年の近いマスターがいるお店に行って、おすすめの音楽を教えてもらったり。普段聴かない邦楽を聴くきっかけにもなった」(20代女性、学生)

 取材中、こんな意見が若者たちから聞かれました。2000年代以降、ゴールデン街に多くの若者が足を運ぶようになりました。借地借家法の一部改正で店舗が借りやすくなったことで、若い経営者が続々と出店し、映画や音楽などにこだわる個性的なコンセプトバーが…

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藤田結子

明治大商学部教授

東京都生まれ。慶応義塾大を卒業後、大学院留学のためアメリカとイギリスに約10年間滞在。06年に英ロンドン大学で博士号を取得。11年から明治大学商学部准教授、16年10月から現職。専門は社会学。参与観察やインタビューを行う「エスノグラフィー」という手法で、日本や海外の文化、メディア、若者、消費、ジェンダー分野のフィールド調査をしている。