メディア万華鏡

おじさんブームでも菅首相に「おじキュン」できる?

山田道子・元サンデー毎日編集長
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相原メイ役の多部未華子(左)と、スーパー家政夫「ナギサさん」こと鴫野ナギサ役の大森南朋=TBS 提供
相原メイ役の多部未華子(左)と、スーパー家政夫「ナギサさん」こと鴫野ナギサ役の大森南朋=TBS 提供

 この夏、「おじさんブーム」が起きた。暑苦しいおじさんに心をときめかす「おじキュン」なる言葉まで登場した。きっかけは、9月1日に終了したドラマ「私の家政夫ナギサさん」(TBS系)だ。

 MR(医薬情報担当者)としてバリバリ働く相原メイ(多部未華子)は、家事が全くできず、部屋は散らかり放題。そこに、スーパー家政夫の鴫野ナギサ(大森南朋)がやってくる。「おじさんが家にいるなんて、絶対イヤ」と最初は拒絶するものの、次第に受け入れていくというストーリーだ。

 視聴率は好調だった。ジェンダーがクローズアップされたのが大きかった。「男性は仕事、女性は家事」という性別役割分担をひっくりかえし、女性は家事を外注していい、男性が家事をしてもおかしくない、と分かりやすく伝えた。

 毎日新聞ニュースサイトの8月31日配信記事で明治大学の藤田結子教授(社会学)は「近代化とともに、家の中の仕事が次々に市場化されたが、残されてきたものが現在の家事で、愛情と強固に結びつけられてしまっている」「働く女性が、有償労働と無償労働である家事を一人で全部やるのは不可能。アウトソーシングすればいいと提示してくれたことで、社会の意識の変化を後押ししてくれるのではないか」と指摘した。

 メイとナギサが結婚するラストに違和感を抱いた人が少なからずいたのは、「愛情」と家事が再び結びついたからではないか。私も「結婚」ではない新たな「関係」が示されなかったのは残念だった。

 ドラマでは、家事・料理ができる「胸キュン」おじさんは、若くてきれいな女性にプロポーズされるが、現実はどうか。サンデー毎日9月13日号「OL400人は考える それってどうよ!?…

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山田道子

元サンデー毎日編集長

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞社入社。社会部、政治部、川崎支局長などを経て、2008年に総合週刊誌では日本で最も歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長、紙面審査委員。19年9月退社。