経済記者「一線リポート」

コロナでも業績回復「ブックオフ」が好調な理由とは

土屋渓・毎日新聞経済部記者
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コロナ禍の影響で在庫が不足するため、東京都などのブックオフで実施した買い取りキャンペーン動画のワンシーン=同社提供
コロナ禍の影響で在庫が不足するため、東京都などのブックオフで実施した買い取りキャンペーン動画のワンシーン=同社提供

 新型コロナウイルスの影響で客足の戻りが鈍い店舗が多い中、中古書籍販売の「ブックオフ」が足元で業績を急回復させている。本やゲームの巣ごもり需要だけでなく、コロナ前から進めてきた店舗やオンライン戦略が奏功しており、今後の店舗ビジネスを考えるヒントになりそうだ。

 「ブックオフから本気のお願いです」。先日、東京都内のブックオフに入ると、店舗スタッフが大きな声で客に本の売却を呼びかける動画が繰り返し流れていて驚いた。

 新型コロナによる巣ごもり需要で小説などの文庫本を中心に在庫不足が生じており、秋の読書シーズンに向けて買い取りで豪華景品が当たるキャンペーンを展開中とのことだった。

 感染拡大で全国で一時は約250店舗が臨時休業し、ブックオフグループホールディングス(HD)の4~6月期の既存店売上高は前年同期比22%減となった。だが、6月に多くの店舗で営業を再開したところ、業績は急回復し、8月まで3カ月連続で前年実績を2~3%上回っている。

 ブックオフといえば、「立ち読みOK」を売りに業績を拡大してきたが、新型コロナを受けて、現在は立ち読み禁止となっている。それでもこれだけの急回復を見せているのは、以前から続けてきた経営改革の成果が表れているからだ。

 これまでを振り返ると、同社は2016年3月期から3年連続で最終(当期)赤字に陥った。13年に始めた訪問や配送などによる買い取りサービスの多角化に失敗したのが大きな原因だった。

 そこで赤字の要因となった物流センターを廃止したほか、扱う商品も本やDVDだけでなく、店舗の立地など特性に応じてパソコンやスマートフォン、玩具、古着やスニーカー、バッグと広げ…

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土屋渓

毎日新聞経済部記者

 1977年、ドバイ生まれ。2002年早稲田大法学部卒、毎日新聞社入社。水戸 支局、東京本社学芸部などを経て14年から経済部。証券業界、日銀を担当。16~17年 は大阪本社経済部で電機メーカーなどを取材。18年に東京経済部に戻り、経産省など を担当。20年4月から製造業、商社・流通、重工業、財界などを取材するグループの キャップ。