ニッポン金融ウラの裏

JR赤字ショックが映し出す「コロナ構造調整」の重圧

浪川攻・金融ジャーナリスト
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例年ならお盆のUターンラッシュで混み合うが、新型コロナウイルスの影響で利用客がまばらな東海道新幹線のホーム=JR東京駅で2020年8月15日、小川昌宏撮影
例年ならお盆のUターンラッシュで混み合うが、新型コロナウイルスの影響で利用客がまばらな東海道新幹線のホーム=JR東京駅で2020年8月15日、小川昌宏撮影

 銀行業界の先行きにこれまでにない暗雲が広がり始めている。新型コロナウイルス問題の企業業績への悪影響が着実に強まっているからだ。象徴的な出来事が9月16日に起きた。2021年3月期の連結業績予想を「未定」としていたJR東日本、JR西日本が業績予想を発表した。その中身が極めて深刻だったのである。

 JR東日本は営業損失5000億円、最終(当期)損失4180億円の見込みで、1987年の民営化以降、初めての赤字決算となる。JR西日本は営業損失2900億円、最終損失2400億円で、民営化後、最大の赤字となる。

 これまで新型コロナ問題では、ホテル・旅館や航空会社などの観光業やサービス業が深刻な影響を受け、一方で、中小・零細企業の資金繰り悪化が報じられてきた。もちろん、鉄道業界への打撃も言われてきた。だが、JR2社の業績悪化は、金融業界に「ここまでか」というショックを与えている。

 ある大手銀行の幹部は「…

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。