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共働きの生命保険「夫の保障を手厚く」がはびこる理由

渡辺精一・経済プレミア編集部
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 共働きの夫婦はそれぞれに収入があるため、保険への加入を考える場合、どちらが加入するか、どんな保険を選べばいいかという選択肢が、片働きに比べて大きい。共働き時代の保険選びを考えてみよう。

 日本では、保険といえば生命保険をイメージしやすい。スイスの再保険大手スイス・リーによると、日本は、2018年の生命保険の年間保険料が36.9兆円と米国に次ぐ世界2位の「生保大国」。生命保険文化センターの18年度調査によると、生命保険の世帯加入率(共済含む)は89%で、10世帯に9世帯はなんらかの生命保険に入っている。

 生命保険の死亡保障は、家計を支える働き手が万一亡くなったとき、残された家族の生活を支えるのが大きな目的だ。日本は高度成長期に都市部への移住と核家族化が進んだ。隣近所や親族らの助け合いに頼れなくなり、「夫=サラリーマン、妻=専業主婦」の役割分担ができ、一家の大黒柱である夫が亡くなった場合に備え、高額な死亡保障の保険ニーズが高まったという経緯がある。

 ただし「収入減のリスクに備える」という死亡保障の目的と保険への加入状況は必ずしも見合っていない。本来の目的から考えれば、収入のない専業主婦には死亡保障は不要になるはずだが、実際は専業主婦も多くが生命保険に加入している。

 先の同センターの調査によると、生命保険加入率を、専業主婦世帯▽妻がパート・派遣の世帯▽妻がフルタイム就労の世帯――の3分類でみても、どの世帯も夫の加入率は9割程度、妻の加入率は8割程度でほとんど差がない。

 平均の保険金額も、専業主婦世帯は、夫1769万円、妻791万円に対し、妻がフルタイムの共働き世帯は、夫1974万円、…

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。