海外特派員リポート

“自己中”トランプ氏の「TikTok介入」米国で疑問の声

中井正裕・北米総局特派員(ワシントン)
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TikTokのロゴマーク=TikTok JAPAN提供
TikTokのロゴマーク=TikTok JAPAN提供

 トランプ米政権は9月19日、中国・北京字節跳動科技(バイトダンス)が運営する動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業を巡り、バイトダンスと米IT大手オラクル、米小売り大手ウォルマートとの提携案を大筋で承認した。

 トランプ政権は、米国のティックトックの利用者データが中国政府に流れる恐れがあるとして米国事業の「売却」か「禁止」かを迫っていたが、バイトダンスと米企業の合弁事業として存続する方向となった。

 ところがトランプ大統領は21日、米FOXテレビのインタビューで、新会社の設立について「もし、米企業が完全にコントロールできないなら提携案を承認しない」と述べた。新会社の形態についてはバイトダンスと提携先の米企業との間で説明に食い違いが生じており、混乱が続けばトランプ氏が提携案の「原則的承認」を覆す可能性もある。

 具体的な根拠を示さずに民間事業に介入するトランプ政権の強引な手法に対しては米国内でも疑問の声が上がっている。

「バイトダンスと取引禁止」の大統領令

 「ティックトックは米国の安全保障上のリスクだ。米国事業を売却しなければ禁止する」。トランプ大統領は8月6日、安全保障上の重大な脅威に対して制裁を科すことができる「国際緊急経済権限法」に基づき、9月20日から米企業に対してバイトダンスとの取引を禁止する大統領令に署名した。

 さらに8月14日、バイトダンスが2017年に行った米動画共有アプリ「ミュージカリー」の買収に安全保障上の問題があったとして、ミュージカリーを統合したティックトック米国事業を11月12日までに売却するよう命令した。

 ティックトックは15秒程度の動画を気軽…

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中井正裕

北米総局特派員(ワシントン)

1975年京都府生まれ。立命館大学法学部卒。2000年毎日新聞入社。岐阜支局、中部報道センターを経て、09年から経済部で電力改革、貿易交渉、日銀などを取材。政治部にも在籍し、首相官邸、自民党などを担当した。18年10月から現職。