経済記者「一線リポート」

菅政権「1割では改革でない」携帯料金値下げの本気度

森有正・毎日新聞津支局次長
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記者会見で「国民のために働く」と語った菅義偉首相=首相官邸で2020年9月16日、竹内幹撮影
記者会見で「国民のために働く」と語った菅義偉首相=首相官邸で2020年9月16日、竹内幹撮影

 菅義偉首相は「国民のために働く内閣」を掲げ、従来の持論だった「携帯電話料金の引き下げ」を「改革の目玉」に据えた。

 1年以内に衆院選が行われるなか、ほぼすべての国民が持つ携帯電話の料金で、改革をアピールする狙いとみられる。

 約2年前、官房長官だった菅氏は「携帯電話料金は4割値下げする余地がある」と述べ、所管する総務省に改革を指示した。しかし、国民が期待するほど、料金は下がらなかった。今回は期待通りの値下げを実現し、高い内閣支持率を維持することができるだろうか。

総務相「やればできる」

 菅首相は9月18日、武田良太総務相と会談し、携帯電話料金の引き下げを改めて指示した。武田総務相は会談後、記者団に「(菅首相から)しっかりと結論を出してくれと言われた」と説明した。

 武田総務相は値下げ幅について「1割とかいう程度だったら改革にならないでしょ。(諸外国では)競争市場原理を導入し、70%下げている国だってある。やればできるんですよ」と力を込め、更なる料金値下げに意欲を示した。

 菅氏は2018年、携帯電話料金の値下げを強く訴えた。これを受け、総務省は有識者会議を開き、携帯電話の分かりにくい契約の見直しを促した。

 その結果、いわゆる「2年縛り」と呼ばれる解約しにくい料金プランや、端末代金と通信料金が事実上一体となった契約などの見直しが進んだ。携帯電話料金もやや下がったが、大きく値下げしたという実感は得られないままだった。

 国内の携帯電話市場は、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの3社による寡占状態が長く続き、市場が固定化されていると言われる。菅氏が当時、「4割下げる余地がある」と発言した背景に…

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森有正

毎日新聞津支局次長

 1974年神奈川県生まれ。2001年毎日新聞社入社。長野、松本支局を経て、2006年から経済部で情報通信行政やIT企業、鉄鋼業界などを担当した。12年4月から中部報道センターで、トヨタ自動車や中部電力などを取材。19年4月から国の予算編成などを担う財務省を担当し、20年4月からキャップを務めた。20年10月から現職。