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キリンの乳酸菌飲料「免疫維持」表示なぜ認められた?

小島正美・「食生活ジャーナリストの会」代表
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 食品の健康効果を表示できる「機能性表示食品」制度で「免疫効果」をうたう表示が初めて認められた。だが「免疫」という表示には、病気の治療など医薬品のような効果を期待する消費者も多い。消費者へのわかりやすさという点では問題がある。

キリン2社が届け出

 食品が「健康に役立つ効果」を「機能性」という。機能性表示食品は、食品に機能性があるという科学的根拠を事業者が消費者庁に届け出れば、パッケージに表示できる制度だ。

 似た制度に「特定保健用食品(トクホ)」がある。だが、トクホは国が機能性を審査するのに対し、機能性表示食品は事業者の責任だけで表示できる点に違いがある。

 トクホは開発から申請まで多額の費用がかかり、大企業しか参入できない。機能性表示食品はハードルの低い制度を作って参入の裾野を広げることを狙いに2015年4月に始まった。

 その機能性表示食品で今年8月「免疫機能の維持」を挙げる届け出が初めてあり、消費者庁が受理した。

 食品大手キリンホールディングスのサプリメント2品目と、グループ会社キリンビバレッジの清涼飲料3品目。機能性の成分は「プラズマ乳酸菌」で、「プラズマ乳酸菌が含まれ、プラズマサイトイド樹状細胞に働きかけ、健康な人の免疫機能の維持に役立つことが報告されている」という表示だ。

 プラズマサイトイド樹状細胞とは、ウイルス感染で活性化する免疫細胞の一種で、ウイルスを撃退する他の免疫細胞を活発にさせ、インフルエンザのような症状を軽くする働きが期待できるという。

「免疫表示」禁止していた消費者庁

 この「免疫」表示は驚きをもって受け止められた。「免疫」は病気の治療に結び付く。健康食品…

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小島正美

「食生活ジャーナリストの会」代表

 1951年愛知県犬山市生まれ。愛知県立大学卒業後、毎日新聞社入社。松本支局などを経て、東京本社・生活報道部で主に食の安全、健康・医療問題を担当。「食」をテーマとして活動するジャーナリスト集団「食生活ジャーナリストの会」代表。著書多数。