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幻でない「ホンダ・日産連合」井上久男氏の業界分析

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新型電気自動車(EV)アリアを発表する日産自動車の内田誠社長(右)=2020年7月、東京都内で(同社提供)
新型電気自動車(EV)アリアを発表する日産自動車の内田誠社長(右)=2020年7月、東京都内で(同社提供)

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 日本の自動車産業に危機の足音が忍び寄っている。東証に上場する株式の時価総額ランキング(9月29日時点)のトップ20に自動車メーカーは、1位のトヨタ自動車1社しか入っていない。

 自動車部品産業にまで目を向けると、電気自動車(EV)の心臓部で、モーターとそれを制御する半導体、ギアを一体化した「トラクションモーターシステム」で先頭を走る日本電産が14位に食い込むのみ。自動車関連はこの2社だけだ。大手ではホンダが22位、日産自動車が86位と沈む。

 1995年以来、25年間自動車産業を観察してきた筆者が同ランキングから感じることは、日本の自動車産業は下り坂に差し掛かっているということだ。このままでは、シャープが外資に買収され、三洋電機が消滅したように電機産業の二の舞いになりかねない。

 2020年4〜6月期の第1四半期決算の営業損益を見ると、トヨタは139億円の黒字を確保したものの、ホンダ(四輪事業)は1958億円、日産は1539億円のそれぞれ赤字だ。

 もちろん新型コロナウイルスによる感染症の影響はある。しかし、ホンダと日産に関してはコロナ危機以前から低収益だった(図1)。たとえば19年3月期の営業利益率は、ホンダ(四輪事業)が1・9%、日産が2・7%だった。

 今回のコロナ危機を契機に社会が大きく変化するのと同時に消費者が車に求める価値観も激変する。このままではいずれホンダと日産は、トヨタや新興勢力のテスラなどに対抗するどこ…

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