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コロナ禍で注目「副業」を後押しする“三つの動き”

渡辺精一・経済プレミア編集部
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 新型コロナウイルスの感染拡大を契機に副業が注目されている。在宅勤務の定着で働く時間の管理が柔軟になったことや、収入減を補えることから、副業希望者が増えているためだ。そうしたなか、8月以降、副業をしやすい環境を整える三つの大きな制度変更があった。あまり知られていないため、ここで確認しておこう。

 憲法は職業選択の自由を保障しており、労働法にも副業を禁止する規定はない。勤務時間外の時間をどう使うかは個人の自由だ。それでも企業は「会社の不利益になる」として、就業規則で副業を禁止するのが一般的だった。

 だが、働き方は多様化しており、企業が個人の働き方を管理するのではなく、個人が自分で働き方を決めることが求められている。裁判でも、業務への支障がなければ「就業規則の副業禁止は無効」とする流れがある。

 副業は、個人にとって、収入増につながるほか、離職せずに別の仕事に就くことでスキルや経験を高めることができる。それは企業にとっても業績拡大に結び付く。

 政府は2017年の「働き方改革実行計画」で原則として副業を認めた。厚生労働省は18年、企業がひな型とするモデル就業規則を改定し「勤務時間外は他の会社の業務に従事できる」と副業促進に転換した。

 経済同友会が19年に会員の所属企業に行った調査(有効回答数168)によると、副業や兼業を容認する企業は16年の18%から19年には39%と増加している。リクルートワークス研究所が約5万人の働き方を毎年追跡調査する「全国就業実態パネル調査」によると、19年には正社員の10.4%は副業や兼業を経験している。

 新型コロナの感染拡大はこの動きを加速させている。クラウ…

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。