クルマ最新事情

ホンダ初のEVが米テスラに並んだ「電池の工夫」

川口雅浩・毎日新聞経済プレミア編集長
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ホンダ初のEVにホンダらしい先進性はあるのか=同社提供
ホンダ初のEVにホンダらしい先進性はあるのか=同社提供

 ホンダが10月30日に発売する初の電気自動車(EV)「ホンダe」には、ホンダらしい先進性があるのだろうか。

 日本の自動車メーカーで日産自動車、三菱自動車工業に次ぎ、本格EVの発売で3社目となるホンダは、米テスラを含むライバルを十分に研究したとみられる。

 EVの要となるリチウムイオン電池については、既にテスラが採用しているバッテリークーラーとヒーターをホンダも採用した。

 ホンダは「バッテリーは低温時に出力が低下し、高温になると充電時間が延びる。最適なパフォーマンスを発揮できるようバッテリーの温度管理を行う」と説明する。

 EVは高速道路や上り坂を長く走ると電池に負荷がかかり、高温となるため、充電しにくくなる。冬の朝など、電池が冷えている時は十分な性能を発揮できないほか、充電に時間がかかる。

 また、リチウムイオン電池は熱くなったり、冷たくなったりすることを繰り返すと、経年劣化が早まる。高温時に電池を冷やすバッテリークーラーと低温時に温めるヒーターは電池の性能を維持し、充電時間の短縮や電池の劣化防止に役立つ。

 この電池の制御でテスラは先行している。量産車の「モデル3」はクーラーだけでなくヒーターも備え、温度管理を徹底している。

 日産は現行の「リーフ」にバッテリークーラーやヒーターを搭載していない。クーラーなどを付けると電力を消費するほか、価格が上昇し、重量も重くなるなどのデメリットがあるからだ。

 この点、日産は「電池の改良によって、一般的な使い方であればクーラーやヒーターがなくても電池が急激に劣化する心配はない。リーフの使われ方や価格を考えると、クーラーやヒーターの搭載が必ずしもベストではない」と説明…

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川口雅浩

毎日新聞経済プレミア編集長

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部