スルガ銀行 不正の構図

スルガ銀“残された不正融資”調停選んだ弁護団の狙い

今沢真・経済プレミア編集部
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スルガ銀行の株主総会後、経営陣との質疑について記者会見する山口広弁護士=静岡県沼津市で2020年6月26日、今沢真撮影
スルガ銀行の株主総会後、経営陣との質疑について記者会見する山口広弁護士=静岡県沼津市で2020年6月26日、今沢真撮影

 シェアハウスをめぐる不正融資が2年半前に発覚したスルガ銀行で、アパート、マンションといった投資用不動産向けの不正融資をめぐる“被害救済”が新たな問題として浮上している。被害弁護団の団長を務める山口広弁護士に解決への見通しを聞いた。【聞き手、経済プレミア編集部・今沢真】

――弁護団は9月に、スルガ銀行から億円単位の融資を受けてアパート、マンションを購入した25人の返済について、東京地裁に民事調停を申し立てました。調停に持ち込んだ狙いは何でしょうか。

 ◆山口広弁護士 25人はシェアハウス問題は解決したものの、同じスルガ銀行の融資でアパートやマンションを高値づかみさせられた人たちです。アパート、マンションの借金に関して、スルガ銀行から遅延損害金も含めた返済請求を受けたため、「どうしたらいいか」と相談がありました。

 弁護団は、シェアハウス問題を解決するため、スルガ銀行への毎月の返済を止めるよう助言してきました。その結果、アパート、マンションのローン返済も含めて止めた人がいました。その意味で、これについては弁護団にも責任があり、シェアハウス問題が解決した人について調停の申し立てをしました。調停はふつう、簡易裁判所で行われますが、今回は地裁でやることになりました。

 ――シェアハウス問題では申し立てから半年間かけた調停で、借金を帳消しする解決策をスルガ銀行が受け入れ、合意に至りました。今回も調停が進めば、ある程度の成果が得られる見通しがあるのでしょうか。

 ◆シェアハウスの調停申し立てのときは、解決に向け一定の見通しがありましたが、今回は明確な見通しは立っていないのです。シェアハウスのよう…

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今沢真

経済プレミア編集部

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀キャップ、財研キャップ、民間企業キャップを歴任。2013年論説委員。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。